実音テスト対策、内申点アップを目指そう。実際の最新の問題を解説しています

♬実音テスト対策、内申点アップを目指そう!

実際の最新の問題を解説

「兵庫県中学校教育研究会音楽部」という機関が作成している、

音楽聞き取りテスト、通称「実音テスト」なのですが、

このテストの過去問題は、娘が中学生だった平成8年(1996年)から

とびとびではありますが令和3年(2021年)までの過去問があります。

しかしながら、過去問を収集分析する手間も要らないほど、出題形式は全く変わらないものです。

現時点では、問題の改変がない限り予測できるので対策が立てやすいのです。

 《1》ピアノを習っている+吹奏楽部に所属していることは強み

平成8年ころは教室に通っている、小さいころからピアノを習っている生徒さんに対して

試験前のレッスン時間を割いて希望者だけにちょっとした対策をしていました。

今も変わらない25問。配点は1つ2点で50点。通常の筆記テスト50点と合わせて100点にしたり

配点や設問数は中学校の音楽教師によって任意に変更してあったりしますが、

ピアノを習っている子や、吹奏楽部在籍者にとってはそれほど困る問題ではありません。

「音楽を聴く耳が育っている」「音楽に興味がある」からです。

今から解説する下記の問題10、11の説明をすればほぼ満点に近い点が取れています。

《2》音楽教室でピアノを習ってこなかった子はどうすればいいのか

次第に口コミで実音テスト対策のことが知られて、

今では「実音テスト」で検索すると教室の昔のブログ

(今は看板猫ブログになっていますが)がよく検索されているようです。

 ブログやホームぺージを立ち上げてから、ピアノを習ったことがない中学生の

「内申点をあげるために勉強だけを見てください」との希望が増えました。

 学校の通常の教科は義務教育として

スタートも授業も平等に実施されているはずですから、

できなかったら「勉強不足」として捉えられますが、

この「実音テスト」に関しては授業を聞いていたからって

さて、どのように取り組んだらいいのか途方にくれると思います。

一部の人だけが有利だなんて少し不公平感もありますが、

そこはテスト。知らない問題も出題されるでしょう。

テスト前には、授業中に同様の問題をする時間を設ける学校もありますが、

何とも心もとない限りです。

《3》少しの「勇気」としっかりした「やる気」を持ってください

ソルフェージュの勉強もしたことがない、

音楽耳を鍛えたことがない音楽に触れる機会が少なかった中学生に

少しでもわかるように、できそうなジャンルを強化していけるよう、

問題に取り組んでいきたいです。

《4》この「実音テスト」は今の時代には必要ないかも

そう思う具体例は各設問ごとに書きたいと思います。 

それでも街の音楽教室の先生としてこの「実音テスト」が必要ないと思っても、

制度が変わらない限り、音楽教師がこの問題を実施する限り、

皆様のご要望があればピアノを習っていなくても応じたいと思います。

「内申点アップ」が目的なのですから。

今の時代にそぐわない点があっても、考える力はつけてほしい

それに音楽は感性を養いますから、こんな問題必要あるのかな?と思っても、

実音テストの対策をすることで、音楽の一般教養が身につくように努めたいです。

《5》実際の問題をみてみましょう

以下の問題は、最新の問題(令和3年度)です。

親戚の子のものです。全くピアノを習ったことがない子ですが、25問中11問正解。。

記号で選びますから、空欄にしないで、とにかく書く努力はしたのは偉い!(苦笑)

問1.主旋律を演奏している楽器を選びなさい。

(鑑賞時間に興味をもって聞いていますか?)

 この問題は中学校によっては教師の采配で楽器数が増やされていることもあります。

 間違ったところを調べると、全くかけ離れているのか惜しいのかわかります。

正解は「オ」のチェロなのにヴァイオリンと答えた。 惜しいです。弦楽器なのはあっていました。

チェロも高音部を弾くとヴァイオリンに聞こえないこともありません。

「エ」尺八なのにクラリネット。吹く楽器なのはあっていました。

 尺八でも現代曲を演奏していると独特の息遣いがわかりにくい場合があります。

どんな曲が流れていた?と尋ねてもたいていの子は覚えていないか、知らない曲だったといいます。

たぶん知っていたとしても時間の余裕がないのでしょう。

フルートとリコーダーも聞き取りにくいです。

トランペットとトロンボーンもトランペットは華やかに聞こえます。

トロンボーンもスライドする独特の音がしますが、これは吹奏楽部に任せるしかないのかも。

実際にはDVDで吹く楽器なのか、弦をこする楽器なのか、

はじく楽器なのかざっと区別がつくように聞いていきます。

学校の放送設備は大丈夫かどうかが気になるところですが、

教室ではYouTubeの曲を参考にすることもありますが、できるだけ良い音で、

いろんな楽器のCDやDVDからピックアップしてオーディオで聞きます。

問2.一番低い音と一番高い音は?

2回演奏がありますので、1回目でリズム譜を追いかけることができて、2回目で少々歌心があると、

高低差が感じられ何とかなりそうな問題です。

ピアノを習っている子でこの問題を落とすとちょっと心配(汗)ですが。

何となく勘でもでできそうな問題です。

まずは音符の長さの把握と拍子にのって楽譜を追いかけられるかです。

まずは、吹く楽器なのか、弦をこする楽器なのか、はじく楽器なのか

ざっと区別がつくように聞いていきます。

問3. 3小節目のリズムはどれ?

 まずは選択する解答のリズムを把握することです。

 全音符や四分音符など音符の名前や拍数から確認します。

問4. どのリズムですか?三択

 問題をもらった時にまずは、 どこの小節に変化があるかチェックしましょう。

問5. 拍子を選びなさい

 この問題の選択肢は2つですが、「ウ」として「その他の拍子」が問われることも。

 体育の行進できちんと歩ける子(たいてい全員歩いているはず)は 2拍子は感じられるはず。

 3拍子だと歩きにくいので判断します。

「その他の拍子」は5拍子や7拍子の曲を聞いて聞き比べます。違和感を感じたら5拍子.7拍子ですが

きれいなメロディーが聞こえると違和感を感じないかもしれません。

 最近の曲を聞いていたら、突然拍子が変わったり、拍子じゃなくても、 

突然、ここで転調する?ってなこともあり 

拍子や調の変化も目まぐるしくて、弾くのも大変、聞くのも大変な曲も多いです。

そんな曲をさらっと聞き流して、うまく歌っている子も多いです。

それができる感性がある子には拍子の変化や調の変化なんて関係ないのかも・・ 

そんな事を考えるこの頃です。

 ただ、一般教養として音楽の基礎の「基」には触れてほしいですね。

問6. 旋律はどれ?三択

 ア.イ.ウとも1小節目は同じなので 

 2小節目の最初の音が1音上がったことがわかれば

 イ.ウと選択肢が減り、3小節目で 

らーふぁら」なのか「らーふぁそ」なのか区別がつけばいいのですが。

問7. あてはまる音を選べ

ピアノを習っていると楽勝。

習っていない子は?

楽譜は音の高低を表しているのですから

問われている空欄の前後の音から比べると、

高いか低いか・・まずはそこから勉強です。

(B)で「ア」の選択は低すぎますし、

流れから考えるとⅤの和音が来るはずなのでやはり

「ウ」でしょうね。

問8.伴奏で響きの合わないところはどこか?

 実際の放送では、明らかに違う和音がなっているのでしょうが、

 興味のない子には、なんの和音がなっていても違和感を感じないのかもしれません。

 大昔?今はそんな先生はいらっしゃらないと思いますが、 

 極端な例ですが、幼稚園の歌で、伴奏はすべて「ドミソ」の和音。

 それが聞きづらくて、 幼稚園を変えたという人がいらっしゃいました。

 もし幼いころにそんな環境に馴染んでいたとしたら、怖いですね~。

 実際に私が音楽に期末テスト対策で教えた、 

 ギターを頑張っている今は高校生男子。

 ハ長調の一番最初は、ドかミかソで始まって、

 明らかにこれはⅠの和音だろうと思うのだけど

 Ⅳド・ファ・ラで始まっても違和感を感じない。

 でも その耳は間違っていないと

 ギターコース担当の荻野先生は言う。

 今のポップス系のコード進行や音階の捉え方は

 どんどん進化?変化?しています。

 コード進行の話は、なるせ音楽教室では、

 ギターコースの荻野祐樹先生か

 広川由美子先生に聞いてくださいね。

 この問8は現在にはちょっぴりそぐわないかもと思う。

 ハ長調はドミソのどれかで始まると習う学校教育現場(これで普通なのですが)。

 今ではC13(コードネーム Cのサーティーンㇲ)

 ド・ミ・ソ・シ・レ・ファ・ラの構成音の

 レ・ファ・ラで始まるハ長調の曲もが、

 今使っている子どもむけ教本の中にあります。

 荻野先生はこの楽譜をちらっと見ただけで、 

「おしゃれな曲、ジャズ理論を知っている方ですね」と即答。さすが~。

問9. 長調? 短調? その他の調?

 「その他の調」がわかったのね。それだけでもすごい。

 実際に「その他の調」でどんな曲が流されているのかわかりません。

 中学生にきいても???です。

 「アラビア風」 「アジア風」「琉球風」「民謡風」 

 そんな曲は「その他の調」だからねと。

 世界の、いわゆるクラシック西洋音楽でない曲を聞いて区別します。

 ただ、現在の流行曲には随所に

 四七抜きや琉球音階の二ロ抜きがちりばめてありますので、

「その他の調」とは感じられないかと思います。

 インドネシアの「ケチャ」が流れていたらすぐわかりますが。

 余談になりますが 世界には楽譜で表現できない曲がたくさんあります。

 「長調 → 明るい曲」「短調 → 暗い曲」 

 単純にこれだけでは済まされません。

 確か中1の教科書。フォスターの「主人は冷たい土の中に」は

 主が死を嘆いている歌だから、悲しいから「短調」と。

 ちがいます。正真正銘 長調です。 

 アルルの女「ファランドール」を聞いていると元気な曲ですが

 最初は短調で始まっています。

 さて さて実際の問題はどんな曲が流されているのでしょうか。

問10. 次の形式はどれですか?

 多分学校ではさらっと説明があるのかもしれないし、

実際の曲を歌う際はじめと同じフレーズ(音の並び)と似たフレーズが出てきたから、

(a a´)で次のフレーズはまったく違って、その次に最初に似たのが出てきたから、

(b a´)だと説明があるのかもしれない。

 ただ普段から曲の構成を把握しておかないと、

 ひょっとしたらピアノを習っていても 

 チンプンカンプンかもしれません。

 普通そんなの気にしないで歌っているはずです。

 それにこの2年はコロナ禍で意識して歌う授業はなかったようです。

 合唱コンクールは大抵の中学校で実施されましたが、

 長い曲だしそんな形式を気にしないで歌っているはずです。

 しかし、これも少し注意深く聞く習慣をつけると対応できます。

 ただ、しっかりした拍子感覚をもって、

 聞きながら何小節目の演奏かわかるようにします。

(a a´)(b a´)の構成だと16小節。

 フレーズ感(一息で4小節分歌う)を育てていきましょう。。

 たくさん童謡、唱歌系の曲を歌うと理解できると思います。

  この問題は、実際に「どんな曲が流れていた?」に

 答えてくれる子は多いです。

問11.どの演奏形態か?

 1.合唱で 男声、女声、混声はわかると思うのですが

 2.吹奏楽と管弦楽は 吹奏楽はコントラバスは例外ですが

 (あっても放送で聞こえてこないかも)

  弦楽器(こする楽器)は絶対聞こえないからねと指導します。

 3.管弦楽と弦楽合奏、うっかり聞くと似ていますね。

 4.協奏曲と管弦楽、これはわかりにくいですよね。

  管弦楽の前でソロの楽器が目立って聞こえるのが協奏曲。

  管弦楽の中でちょっとかっこいいソロを演奏する楽器もありますし。

  ピアノ協奏曲あたりが一番わかりやすいのかな。

  これも 音だけでなく実際に映像をみながら

  DVDで鑑賞すると違いが分かってきます。

  

  以上が問題の解説ですが、これを読んでも実際のところは

  来ていただいて勉強するしかありません。

  「やる気」で必ず正解率はあがります。

《6》普段から聞き流すだけでもいいから聞いてみて

 興味を持って、いろんな曲を(いわゆるクラシック曲)を聞いてほしいですが、

 それでも「『スターウォーズのテーマ』や『ハリーポッターのテーマ』が流れていたよ」と聞きます。

 おそらくそれは管弦楽曲なのでしょう。

《7》わくわくオーケストラ教室

  兵庫県教育委員会が開催する、「わくわくオーケストラ」。

青少年芸術体験授業として、西宮北口にある「兵庫県立芸術文化センター」略称「芸文」で、

毎年、音楽遠足のように学校から聞きに行っていたのですが、

コロナ禍で実施されていないようですね。残念です。

一流の指揮者にオーケストラの演奏が見聞きでき、楽器紹介もあって、

一般教養にあわせて「実音テスト」問1を答えるには良い機会でしたのに。

早くコロナ禍が収束して、安心して活動ができることを願っています。

《8》教室での取り組み 

*ピアノを習っている場合

  小学校から引き続きレッスンを継続される方には、

      特別な時間は設けずにレッスン中に要点を伝えて、

     期末試験前にはご希望に応じてレッスンを試験勉強に振り替えます。

 中1年生は実際にどこまで中学のテストが理解できるか様子をみて、

     中2になった時に苦手な分野がわかればそこを重点に勉強します。

    そして内申が決まる3年生の定期テストむかって準備していきます。 

*ピアノをならっていない場合

  中学になったらできるだけ早く始めるのが理想ですが、

      1年生の試験問題を経験してからでも間に合います。

      取り組み方は個人に応じてご相談を受けています。

《9》一般教養を身につけて、心豊かな大人になってほしい

《4》で「音楽の一般教養が身につくように努めたい」とあります。

 ちょっと音楽のことを知っていたら、すこし話ができたら、

  大人になってからの会話もすこし

 違ってくるように思います。「政治の話」では場が和みませんから。

主に以前のブログで

問1.の主旋律を演奏している楽器を選びなさい。に関して

楽器の出題頻度や楽器の説明を書いています。

実音テスト聞き取り対策 1

実音テスト聞き取り対策 2

実音テスト聞き取り対策 3

昔のブログで(今は看板猫になっている)中学生の実音テスト

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